ここ数年私の年始の「今年こそはやるぞ!」のリストに入っている項目がある。
「Sちゃんに連絡をとってみよう」だ。
Sちゃんと出会ったのはもうかれこれ25年位前である。彼女はなんていうか、非の打ち所がないというか、本当に優しくて、年下だけど面倒見がよく、実行力もあり日本人のしての常識もある人だ。
本当に「炊き込みご飯作ったんだけど食べる?」とか「ちょっとお醤油きらしちゃったから、貸してもらえる?」って感じの仲だった・・・と私は思っていた。よく一緒に行動したし、家族ぐるみでBBQや誕生会もやる仲だった。
本当に気が許せる、そして頼りになる友達だった。もしかしたらお母さんいっしょ?っていうくらい自然にでる気の回し方も似ていた。類は友を呼ぶ的な自然な巡りあわせで本当に一緒に居て疲れないし、考え方も似ていたので私はすっかり親友の域なんだろうなぁと思っていた。

一つ大きく違ったのは、私はもう日本人とのお付き合いはめんどくさくて、自ら友達の輪を広げる努力はしていなかったが、面倒見の良いSちゃんにはどんどん日本人が寄り添って行っていた。でも私は特に気にすることもなく・・・というよりかSちゃん通しで私の友達の輪もちょっとゆるんで広まっていった。
そのSちゃんに子供が出来た!私も超嬉しかったし、その子がとにかく天使みたいに可愛かった。

そしてSちゃんは子供を通してもっともっと日本人の交友の輪が広がり、日本人お母さんたちをサポートするグループで中心となって活動し始めた。私にも集まりがあると声をかけてくれて、一緒に参加していた・・・が・・・
ある日、もしかしたらこれが原因だったのか?と思い当たる事があった。
私が出会った日本人夫婦にも小さい子供が居て、アメリカという異国で若夫婦二人で子育てを頑張っていた。私達の住んでいる地域には日本人お母さんのサポートグループみたいのがなく、Sちゃんを紹介してあげた。
やっぱりアメリカで子育ては大変だ、まして初めての子だったらすべて初体験だし、こういうサポートグループは本当に心強い。そのママにも大変感謝されて、彼女もSちゃんの家に足を運ぶ事が多くなったようだ。
しかし・・・この頃からSちゃんからのお誘いを受けなくなった。私はやっぱり子供がいると子供通しで色々とお付き合いもあるし、忙しいだろうしと特に気にもしていなかったし、Sちゃんとのお付き合いはずっと変わらず続いていくものだと思っていた・・・のだが・・・毎年くれていた子供の写真付きのクリスマスカードがいつの頃からか来なくなった。その頃はまだ「Sちゃん元気?」みたいに連絡をしていたが、それもいつの間にか遠のいて、すっかり疎遠になってしまった。

ある時、娘ちゃんが大学行くまでずっと使っていていいよといって貸してくれていたダイニングテーブルだったが、狭いコンドの家具の配置替えをした際にそのテーブルを返すことにして、久々にSちゃんを訪ねた。久々の再会だ!っと思っていたのは私だけで、なんだか空気が違った。ん?なんだ?なんだこの空気。明らかに歓迎はされていない空気だ。
なんだろう?なんだか後味が悪い感じ・・・でも気のせいかもしれないと思っていたがその後プッツリと完全に疎遠状態。
色々考えてみたが、思いつく事はない。というか最後に日本人ママを紹介してからは会っていないし、会話もなかった。えっ?まさか紹介した子が何かある事ない事言った可能性がある?まっさかぁ・・・でも実はちょっと疑っちゃってもぉ・・・という節はない事はないような子なんだよなぁ。でもまさか!?
Sちゃんもその日本人ママも私の事も知っている共通の友達に「なんだかさ、あんなに仲良かったのに突然っていうか疎遠になっちゃったんだよねぇ」とポッソリ言ったところ、なんと驚きの返答が!
「あ~日本人ママがなんかしたかもよぉ、ありえるよぉ」って。ワッワッワッ!マジかよ?「彼女作り話みたいの吹聴するから」って。
そういえば、その日本人ママの旦那さんからママさんが地元の日本食レストランのオーナーの奧さんとものすごい喧嘩をしたっていうのを聞いたことがある。
私は神や仏様に誓ってもSちゃんやSちゃんの家族の事を一度も悪く言った事はないし、悪い所ないもん、言うわけがない!全く身に覚えがない!
この時点で(原因は私じゃない・・・)という防御の自分が憶測だけなのに日本人ママを疑い始めてしまっている。これは良くない事である。でも本当に思いつかない、身に覚えがないのだ。
本当にこれは憶測であり、全然違うかもしれない。たまたまその共通の子も私と同じ憶測を持っていただけかもしれない。
そうしたらその日本人ママに濡れ衣を着せたことになってしまう。それは大変申し訳ない事だ。単に私の思い過ごしで、ただS子ちゃんは子育てが忙しくて手一杯だったし、私も寄り添わずに、邪魔をしないように距離を置いたつもりが、もしかしたら「友達が子育てで大変なのに何もお手伝いしていない」自分になっていて、それがいけなかったのかもしれない。
それでもいつか声をかけてみよう、連絡してみようと思いながら時間だけが経って行ってしまった。

今年やっと私はSちゃんに連絡を取る事にした。
もうe-mailアドレスもわからないし、あっても変わってしまっているだろう。FacebookやLineでSearchしてみたけど該当する人物はあがってこなかった。でも住所はわかる!原始的な手段があるではないか!手紙を書こう!

本当にたわいもない内容で、でもちょっとだけ日本人ママが何か?見たい事は匂わせたが、出来るだけカジュアルに自分の近況を報告するようなそんな内容にしておいた。自分の住所、e-mailアドレス、FacebookもLineもやっている事を書いて郵便ポストに投函した。

遅くとも3日以内には配達されるはずだ。読んだらすぐに返事をくれるだろうと期待していた。
投函から4日後、5日後、一週間・・・返事は来なかった。メールに関しては「迷惑メール」もチェックした。
Sちゃんの事だから、同じように郵便で出してくるかもしれない・・・なんて事まで考えたがどうやら期待するだけ無駄みたいだ。
私は一体何をしてしまったのだろう?本当に身に覚えがない。
残念だけど、人生こういう事もあるのだろう。やるだけの事はやってみたのだから。
私は今まで生きてきて、二人だけどうしても受け入れられない人がいる。それでもまぁさわり当たりのない会話はする。
もし本当に意図的に避けられているのなら・・・私の人生で初めての事である。本当に身に覚えがない。でもやるだけやった、ここで終止符を打とう。