さてさて、病院に入院している母の感じ。今までの経過をサクッとおさらいしてみると・・・
やはり自分の一人の事で生活するには無理が出てきてしまった母は、「食事をしっかりとる事」を劣ってしまい、身体が衰弱して急遽入院。そして入院した当日の夜、まだふらついているのに、本人曰く(大丈夫だ)と思って一人でトイレに行き、転倒し骨折。体の衰弱は点滴での治療で数日で回復したが、骨折の為に長期入院を余儀なくされる。主治医から、母の一人暮らしはもう限界であり、サーポートのある高齢者住居に移る事を勧められる。ケアマネージャーさん、病院の地域リハビリテーション広域支援センターのケアマネージャーさんの協力を得て、高齢者住宅を見学し、入居が決まるまで何とか入院を長引かせて(笑)もらっていた。
不幸中の幸いとでもいうのか?実はこの経過が母が高齢者住居へ入居する壁を低くしてくれていた。
健康な若者でも参ってしまう夏に、高齢の母が無事夏を越えられるようにサポートをする目的で3ヶ月単独で(旦那くんはワンコとお留守番)帰国をしていたが、母が入院してしまい、私も初めての一人暮らし。妹に「お姉ちゃん、エアコンは消さないでつけっぱなしにして!」と言われていたが、日本の酷暑の夏を経験して、その意味がわかった。夜になっても気温が下がらない。気温が下がらないどころか、朝太陽が顔を出し始めた途端に、暖かい空気を更に熱し、セミが待ってましたとばかりに狂ったよう「ミィ~ンミンミンミンミィ~ン」と鳴く・・・というか、私にはもはや、「シネェ~シネシネシネシィ~」と聞こえる。
母はエアコンも、「必要な時だけ」つけて(いやいや四六時中必要なのよ)、「今日は風が通るから」と、窓やドアを開けっぱなしにし(外の熱風が入って来るのよ)、「暗いから」とカーテンは開けっ放し(窓からの日差しで部屋が熱くなるのよ)。いくら妹が言っても、私が電話で言っても、実際にいっしょにいなければ母の行動を阻止する(笑)事は出来ない。
そんな状態だったのだが、今回の入院生活でエアコンが常に良い感じに効いている部屋で、腰に負担がいかないしっかりとしたベッドで寝れ、介助がつくので安心して入浴もでき、毎日看護師さん、リハビリの理学療法士さん、巡回してくれる先生、入院生活の間お手伝いをしてくれる介護士さんと、自然に人と会話する場ができ、笑う事も多くなり、なにより黙っていても、毎日時間になると、3食栄養のバランスが考えられた食事が出る。もう母にとっては病院での生活が心地の良い場となっていたのである。
私も妹もなんていう絶好のタイミングで母の入院生活が長引いてくれたのだろうと思ったのであった。病院で転倒して骨折をしていなければ、数日の入院を経て自宅に戻り、夏はどうにか私と過ごせても、そのあとに来る、冬を乗り越えられるかが心配だった。
母も病院の生活はみなさん親切にしてくれるし、安心して過ごせるし、ご飯も不自由なく頂けるといい事尽くしだと言っている。私は母に主治医の先生も、一人で生活していくのは食事の支度とかがもっと大変になっいくだろうし、入浴も一人で何かあった時に困るから、高齢者住宅を考えた方が良いと言っていると話してみた。
事前にケアマネージャーさんとは色々と打ち合わせをしていたので、ケアマネージャーさんも、サ高住について母に話をしてくれていた。
いずれは退院しなければならない事は母も承知である。母の気持ちは95%くらい(一人生活は難しいし、自分で色々やるのは面倒だからきっとやらないだろう)、と考え始めてきたようである。
ここで問題だ!今空きがあるサ高住は、妹と私の第4候補(できればここじゃない方がいいよねぇ・・・という所)しかない。私が居る間に、他に空きが出ればよいのだが・・・それを待っている時間がないのである。
ケアマネージャーさんに相談したところ、入居後に希望の所に空きが出た場合、そこに転居は問題ないですよ、との事。えっ!そうなの?それではということで、私達の第4候補であったコンクリート張りのお洒落な建物のサ高住に、ケアマネージャーさんと母と私で見学に行った。
建物が近代的でモダンであること、館内も静かで、まぁコロナの影響もあるのだが、他の入居者さん達の姿もあまり見る事がなく、部屋もおしゃれなワンルームマンションみたいだと母はまぁまぁここでいいわと即決!
母は他のサ高住をみていないので、それがかえって良かったと思う。更に、超ハイカラな母には、コンクリート張りのお洒落な建物でもなんの問題もなく、「大学生の一人暮らしみたいねぇ」と言って、少し嬉しそうにも見えた。
サ高住の入居には、入居者希望者とそこの施設のケアマネージャーさんとの面談がある。しかしこれは見学に行った際の会話等からOKが出て、あとは入居の契約書に判を押すだけで入居ができるという。
そして母の退院後の新居が決まった。