顎関節症 (8診断)

やっと診察の日。こんなに病院に行くのにワクワク、ドキドキなのは初めてかもしれない。でもこれで「治る!」という希望の光がみえてきた。

先ずはナースの問診から。いつから症状が出始めたか、今までにどういう治療を試みたか、現在の症状はどうなのか、そういうことを聞かれる事はわかっていたので、私は今までの経緯を予めタイプで打って用意しておいた。

ナースは私の手渡したリポートを読みながら、補足質問をして、カチカチとコンピューターに打ち込んでいく。

そしていよいよ先生が診察。やっと「専門医」に診てもらえる!今の私の目はきっと、少女漫画の主人公のように、乙女チックに星がキラキラ輝いていたであろう。

このクリニックのホームページで一応色々下調べはしておいたが、思ったより若い先生だ。そして優しい。幼稚園の先生が日本人だったそうだ(笑)

先生は先ほどナースがコンピューターに打ち込んだ情報と、私のリポートに目を通し、顎や首の動きをチェックし、口の開きを確認した。私の口は16㎜(指約1本分)しか開かなかった。正常な顎の人の場合は指3本分開くそうだ。

そして、先生はCTスキャンを撮るようにナースに指示をだした。

数分後CTスキャンで撮られた映像は私の目の前に映し出されていた。先生が説明をし始める、そして診断がでる。

「TMJ(顎関節症)ですね、ほらここ、白く濁っているでしょ、関節炎です。」

ん?「関節炎」?そうか、そう来たか。実は私はほぼ全身関節炎である。幸いにしてリウマチ性の関節炎ではないのだが、医者に行く度に「関節炎です」と言われてきた。足の甲、足首、膝、腰、背中、指、手首、首、そして今回新たに顎。

更に先生は続ける。

「う~ん、あなたの場合は治療の選択肢が限られてきちゃうんです。治療しないで現状維持か・・・手術。手術はね、顎の関節を人工プレートに入れ替える手術です。これは大掛かりな手術になります。全身麻酔が必要で、耳の下からだいたい10センチくらい切り込みを入れ、そこから人工を入れます。あっ、フェイスリフティングと同じ手術になりますね。手術をするか、このままで様子を見るかは即答しなくていいですよ。じっくりと考えて連絡をくださいね。」と手術の説明が書いてあるパンフレットをくれた。

最後に先生が「僕が行った手術では、今までに後遺症が出たケースはないけれど、まれに顔に麻痺が出るケースがあります。」って。わかるよ、少しでも後遺症の可能性がある場合、法律でそれを患者に説明する義務があることは、でもやはりビビる。聞かなきゃよかった(笑)

なるほど・・・私にはマウスピースや顎の矯正の選択肢はないわけね。いきなり手術なんだぁ。

そこでふっと思い出した!そうだ妹が顎関節症の手術をしたんだ!その事を先生に話してみた。

「妹が日本にいるんですが、彼女も顎関節症で手術をしたんです。でもたしかちょこちょこっと切って、そこからスコープを入れたような手術だったって聞いていますが・・・」

あとで調べてみたが、どうやら顎関節症の手術には2種類あり、一つは非開放性関節手術と開放性関節手術、そして妹が受けた手術は後者の関節鏡視下手術らしい。この手術は小さな切開を行い、そこから外科器具を挿入し、癒着うぃ剥離したり関節内を洗浄する手術だそうだ。

私は前に妹から聞いた手術の様子を思い出しながら、(あの怖がりの妹が受けたくらいだから、大丈夫だろう)なんて思いながら、この痛みと不安がなくなるならこりゃ手術でしょ!っと心を決めていた。

しかし私の場合、手術となると、保険でカバーできるのかどうかわからない。

するとクリニックの保険担当の人が、ちゃんと私の入っている健康保険と主治医のOfficeと連携して、手術とそれに必要とする治療の紹介状をリクエストしますからということだ。でもいつでも気が変わって手術をやめる事もできるから心配しないでねっと言ってくれた。これからの流れの説明を受け、すべてが整ってから連絡をくれるということで、この日のアポイントメントは終了。

旦那君にも「手術するわ」と宣言し、パンフレットを見せた。

ちなみに・・・アメリカでは日本では考えられない事がいっぱいあります。

有名なのは出産、病院には産みに行くだけ。産んだら日帰りで生まれたばかりの赤ちゃんと家に帰ります。私が手首を骨折し、全身麻酔をかけて手術をした時も日帰り。

そして今回選択肢として与えられた、顎の人工関節の手術も全身麻酔で顔を10センチくらい切開する手術だけど、日帰り。

妹が受けた関節鏡視下手術で、妹は1週間ほど入院をしたということなので、本当に日本の病院は至れり尽くせり。

私はすっかり手術するモードで、日本に居る母と妹とビデオチャットで「顎関節症で人工関節の手術するわ」と言ったら・・・なんと母から「顔を10センチも切るなんて!恐ろしい!やめた方が良い!」と反対意見。更に顎関節症の手術の経験がある妹が「もう絶対にやめたほうがいい!」とこれも反対意見。

え~?私は迷うことなく「手術」を選択したのに。ここにきてグラリと心が揺らいでしまった・・・どうする? 

投稿者: love4legkids

渡米なんて憧れの世界だと、なぜかずっと思っていた。でも来ちゃった!スーツケース1つで渡米した私は今や日本にいた年月を越しワンコと旦那君と、カナダとの国境とメキシコの国境を季節のおいしいどころ取りで生活している元気なオバチャンです。

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